MRからMSL 2
今日はプライベートでもたまに相談を頂くMRからMSLについて思ったことを書いてみました。個人的な意見も多く含めてますのでご容赦ください。
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MR(医薬情報担当者)からMSL(メディカルサイエンティフィックリエゾン)
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僕はMRからMSLに3年前に転籍しています。詳しくはこちら。
当時は全然注目されていなかった職種ですが、いまは求人もすごい出てますね。
今日はMRからMSLに異動して感じたことを書きたいと思います。
1. MRのメリット/デメリット
2. MSLのメリット/デメリット
3. 思うこと
1. MRのメリット/デメリット
MRのメリットを列挙します。
・成果がわかりやすい。給料に営業の成績が反映される。
・日当がもらえる。
・休みが取りやすい。特に外資系の場合は。
・家族との時間を確保できる。(僕は日本にいたときは仕事人間で結構朝早くから遅くまで病院にいたのでこの限りではありませんでした。)
・新薬が出たときは、活動した分だけの成果が見えやすく、モチベーションに繋がる。
・医院や病院に対しての決め細やかなケアやアフターフォローが出来るため、感謝のお言葉を頂くこともしばしば。医師やスタッフとの人間的なお付き合いも楽しい。
・待ち時間が結構あるので、そういう時は勉強時間が作れる。
・車も勉強時間が作れる。いま思えば、英語を勉強できる最高の環境。
続いてMRのデメリットです。
・訪問規制が年々厳しくなってきていますね。
・医師の中にはMRを下に見る医師もいるため、なにかとこき使われることもあったりなかったり。
・薬価制度が2年毎の改定から1年毎の変更となり、MRに対する人件費に対する圧力が
高まることは必須。つまり、リストラのリスクが増しています。詳しくは下の記事に。
・土日に講演会があると、休日出勤が多くなる。特に大学担当の場合は、全国に医師を講演で連れていくことも多いので、土日出勤が多くなる。平日は営業するゴールデンデイのため営業数字のことを考えると休みも取りづらい。
・接待が基本的にはいまはもう出来ません。5年くらい前から業界で禁止にしています。個人的には医師と多くの情報交換が出来る場として重宝していましたが、時代の流れには逆らえませんね。
・担当するエリアが限られているケースが多く、日本全体への影響力は出しにくい。
・会社によっては毎朝、卸にいかないといけないといった風潮がいまだに残っている。
*僕は基本いかないスタイルでした。いく時間がもったいない。
卸に行くくらいなら朝病院に入っていたほうがまし。
昔のように処方先に強い卸の担当者は多くない。
対応は基本すべて電話で行っていました。
処方元である医師に自分が強くなれば全く問題なし。
時代は変わっているのに、
どうしてネットが使えない時代の風潮がいまだに強く残っているのか。
行く意味がある人は行けばいいが、惰性で行っているならやめたほうがよい。
それだけで論文を読む時間が作れる。行かなくても薬は売れます。
2. MSLのメリット/デメリット
続いてMSLのメリットです。(と思ったら以前に書いてますね。)
・領域に与える影響力が大きいです。
・社内の人間関係が一気に広まります。
・学術知識と論文検索能力が向上します。
・日本全国を飛びまわれます。旅好きには最高です。
・KOLと人間関係の構築が出来ます。
・全国を俯瞰して見る仕事になるため、仕事のスケールが大きくなります。
・MRの方の教育にも携わることが出来ます。
・いまは僕が異動したときと違って、知名度の高まりとともに人気が急上昇中。
・一人の医師に対しての準備の時間が十分に確保できる。
・発売前の薬剤の情報にアクセスできます。
続いてMSLのデメリットです。
・成果が見えずらい。
・MRからの問い合わせや要請がひっきりなしにきます。
・給料はそんなに増えません。むしろ日当がない分マイナスです。
・泊まりが多いので、家族との時間の確保が難しいです。
・土日は学会が多くあり、つぶれることもしばしばです。
・乗り物の移動時間が多いことです。(留学準備のための英語勉強するには最高でした)
・KOL以外の医師からの認知度はまだ低い状況です。
・社内ステークホルダーが多くいるため、多くの配慮が必要になります。
3. 思うこと
MRもMSLもメリット、デメリットがそれぞれあると思います。
僕自身はどちらも充実して仕事が出来ていたと思います。
MRでは数字を作る楽しさ、チームで戦略を作る楽しさを学びました。
MSLでは全国を飛び回って色々なKOLの方、MRとあって多くの出会いを経験しました。
MR経験、MSL経験どちらも僕にとって貴重な経験です。
最近は「MRよりMSLだ!」的な風潮が強くなってますね。
相談を受けるケースもMRからMSLになりたいのですが、という相談が多いです。
また社内でも困ったら「MSLに!」といった雰囲気がありますし、MSLが重宝されてきているのは確かです。
MRがMSLに頼るケースも増えて来ていると思います。
ただこの風潮に僕はあんまり賛成していないです。なぜなら、、、
・MR自身の価値をMR自身が落としているケースも多々あるから。
・MSLの人たちも(悪い言い方ですが)調子に乗るから。
MRの中には、学術知識の部分はMSLにお任せだと思っているような方がちらほらいます。大学担当者でさえ。これは確実にMR自身の知識レベルを落とす要因になるので、このスタンスはお勧めしません。
またMSLの中にはMRの人達を下に見ているような人も多く、僕はあまり尊敬できません。MRが苦労して取ったアポイントの価値を知らずに、自分の話したいことを話して帰って、その後その先生から出入り禁止になったMSLの話を僕は知っています。
なにが言いたいかというと、MRの方も、MSLの方もお互いを尊敬して、役割の違いを認識した上でお互いに自己研鑽する姿勢が大切だということです。
そして大切なことは情報提供を通じて、医療に貢献するということです。
この基本の部分はMRもMSLも同じです。そこさえずらさなければ、やっていることは(ほぼ)一緒です。
お医者さんにあって、情報提供して、ヒアリングして、次のアクションに繋げる。
これが基本です。
細かな規定の違いは確かにありますが、この根幹は一緒です。
僕自身は、MRの時も、MSLの時も、この根幹はぶれなかったので、大きな違和感はありませんでした。
どっちも勉強は必要です。この仕事を続ける限り、一生勉強ですね。
いまは留学して、別の勉強に勤しんでおりますが・・・笑
ということで、今日のブログは以上です。
いまMR/MSLの方や、これからMR/MSLを目指される方の参考になれば幸いです!